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此処はTW2シルバーレインのキャラクター「守衛・刹那(b34281)」についてのブログです。 シルバーレインと関係の無い方々のコメントやリンク等は許可致しません。ご了承下さい。
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………やがて、セツナは立ち上がった。

「……ソウマ、俺…もう行くな」
痛む傷を押さえながらセツナはソウマを壁にもたれさせるようにした。その時、ソウマの長剣が折れて、先が傍に落ちていることに気づいた。
「………」
ソウマの形見。セツナはふと、そう思った。それを自分の腰のベルトに挟むようにして納めると、セツナはエントランスホールを後にしたのだった。
その紅い双眸に宿っているのは絶大な怒り。それ以外の感情は……もう、彼には存在していなかった。


「……セツナを倒してこい、そう言ったはずだ。…何故此処にいる。フレイア」
仮面を着けた私たちの上司は無機質な声を私に掛けた。
私は今、会議室でゼロと向かい合っている。理由は簡単。
「……何故、私たちの記憶を操作したんですか。…何故、セツナを殺そうとするんですか………」
「今更だな、フレイア。…セツナを憎んでいるから……そう言ったはずだ」
「それなら貴方自身が行けば良い。私は、セツナと戦うつもりはありません」
仮面の男はこちらに目を向けた。仮面の下からこちらを見る視線に温度は無い。
「…術が解けたか。あれの使用法は私自身もう覚えていない。……役に立たない駒は」
ゼロが、『刀を抜いた』。
「!?」
今まで、ゼロが剣を抜いたところを私は見たところがなかった。だが、剣を持つ姿は拳を構える姿よりも様になっている。私は自身の武器である長剣を抜いて構える。
「……愚かな」
ゼロはそれだけ言うと刀を突き出す。それを紙一重で避けた私は長剣を振るう。だが、ゼロはそれを刀で受け止め、掌を私に向けた。
「……爆水掌」
瞬間、私は吹き飛ばされた。
「ぁう……!!」
壁に背中を打ちつけ、息が詰まる。ゼロは私の首を片手で掴んで持ち上げた。
「……最期だ」
ゼロは呟くと、もう片方の手で仮面を外した。
(………そんな、嘘!?)
声は出ないが、私は叫びたかった。その男の顔は、私が好きな彼と、同じだったから……。
ゼロの手に、力が籠もる。死を覚悟したその時、なつかしい声がした。


「フレイアを………放せぇぇぇぇぇぇぇ!!」
俺は駆け出していた。広い会議室で、俺と同じ顔のあいつがフレイアを殺そうとしている瞬間、刀を抜いて斬りかかった。ゼロはフレイアを俺の方に無造作に放り投げた。
「っ!……フレイア、大丈夫か!?」
慌てて受け止めた俺はフレイアの安否を確認する。大丈夫、どうやら意識が薄れているだけのようだ。
「……セツ……ナ………私………」
「…………」
フレイアを壁にもたれさせると、俺はゼロに向かい合った。
「………今日で全部終わらせる。俺が、此処で!」
「……その傷で、俺と対等に渡り合おうとでも言うのか? …寝言は寝てから言うんだな」
俺は左手の刀に力を込めた。

「「はあああああぁぁぁ!!!」」

俺とゼロの、最後の戦いが始まった……。


金属同士がぶつかりあい、俺と同じ顔のレプリカが怒りに染まった紅い瞳で睨みつけて来る。
(……そうだ、もっと怒れ。もっと憎め。そして………)

俺に近づけ。

………
……


俺は生まれた頃から親がいなかった。幼い頃に両親はゴーストに殺され、俺はたった一人で生き延びた。やがて、俺はゴーストを滅ぼす為にこの組織を立ち上げた。同志を募り、ゴーストを殲滅し続けた。仲間があぜ道に転がろうと、構うことは無かった。ただ、ゴーストがいなくなった世界だけを夢見ていた。
だが、その理想は甘かったことを思い知らされた。
どれだけ倒し続けても、ゴーストは沸いてくる。それどころか、俺の仲間は減っていく一方だった。そしてある時、俺は遂にゴーストによって自身の右腕を奪われた。そう、今の腕は義手だ。
俺は悟った。今のままでは駄目だと。だが、俺も寿命がある。そして、それはそう遠くはない。だから、俺は俺のアタラクシアを存続させる手段を考えた。

少しずつ、俺の周りから古参の仲間は離れていき、俺の事を何も知らず、「アタラクシア」の名に惹かれて入ってくる若輩者が増えた。理解者は一人も存在せず、俺は孤独だった。俺は仮面を被り、俺の素顔を隠した。
人はいずれ死ぬ。だが、俺は俺の組織を若輩者に渡すつもりなど無かった。仲間との思い出の場所であり、俺のたった一つの居場所だった此処を、手放したくなど無かった。
そして、俺は兼ねてからの案を実行した。
それが、俺のレプリカの製作だった。
それは成功して、俺のレプリカが誕生した。生まれた瞬間の歓喜は忘れられない。しかし、まるで自分の幼少時代を見ているような可笑しさもあった。
俺は、俺のレプリカに「セツナ」という名前を考えた。だが、あくまでもこのレプリカの事は俺だけの秘密だった。そんな情報が漏れれば何が起こるか分からない。しかし、いずれは組織に属させるつもりだ。
物心ついたころから俺はセツナに自身の持ち得る技、戦闘技術、学問までもを託した。そして、俺はセツナが13歳の頃、記憶を操作してNo,108としてアタラクシアに配属させた。
それからのセツナの活躍は素晴らしいものだった。たった一人で100を超えるゴーストの群れを殲滅したことすらあった。奴は、恐怖を知らないのだ。
俺は少しだけセツナを恐れた。何時の日か、セツナは俺に刃を向けるのではないか……そう思ったこともあった。まさか、それが起ころうとは考えてもいなかったのだが。
セツナがナンバーズとなって暫く後、俺は計画を実行することにした。
まず、セツナ達ナンバーズを地方へ任務と称して雑務を片づけさせに行った。理由は簡単。あいつらは勘が良すぎる。流石にあいつらには多くの嘘をついた。自分の本当の目的なども、話すことはなかった。
俺はアタラクシアの団員を大広間に集めると、そこで大がかりな術を施した。それはナンバーズの捕獲、そして俺への絶対服従の為の術だった。ナンバーズ程の力を持たない団員に術をかけるのは容易かったが、流石に数が多い為に力を多く消費してしまった。
ナンバーズが戻ってきた後、俺は団員達によってナンバーズを拘束、そして同じように術を施した。
……セツナがいないことは予想が付いていた。俺はセツナがより強くなることを願い、敢えて追わなかった。
そして、今。セツナは俺と拮抗出来る程の力を持って再び現れた。

そう、俺は……この瞬間を願っていた。セツナ……お前は……銀誓館学園にいるべきではない。
お前は、アタラクシア総帥となるのだ……。
俺は、その為に……かつての仲間たちを追わずに、ここまで生きてきたのだから。














後書き
すいません、ちょっと書いている期間に間が空きまして。文が乱れております。orz
中途半端な所で切ってしまったので、次にご期待ください。
それでは。
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