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此処はTW2シルバーレインのキャラクター「守衛・刹那(b34281)」についてのブログです。 シルバーレインと関係の無い方々のコメントやリンク等は許可致しません。ご了承下さい。
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ゼロが掲げた手。そこにあるのはセツナの頭。

セツナは最早意識が途絶える寸前だった。
(………俺……は………)
死ぬのか、と頭をよぎる。だが、セツナは不思議と怖くはなかった。
(………これも、運命か………所詮俺は……贋作者……)
セツナが目を閉じる。しかし、その時脳裏に声が蘇った。


『運命は………君が創るんだ。僕と、皆と……一緒に……』


………

そうだ。

俺は………此処に居るんだ………本物とか、偽物じゃなくて……俺は………。

既に感情らしい感情は失くしてしまった。

だけど、目を閉じれば浮かんでくる。

もう一人の俺である、優しいアイツ。なんとなく俺に似ていた、義妹。妙に懐いてきた少女みたいな少年。俺の目標であるクールな男。そして、刹那の……俺の大切な仲間。

………守る。

それはあまりにも遠く、あまりにも眩しくて、手の届かない、遠い……遠い、理想。あるいは幻想。

だけど、俺はそれを掴みたい。

ふと、手に熱を感じた。薄れる俺という存在を繋ぎとめる、――の手。

……なぁ、そうだろう?

だって、俺は………。

だって、僕は………。

銀誓館学園の能力者、守衛刹那だから…!



「うおおおおおぉぉぉぉぉッ!!!」
「何ッ!?」

意識が覚醒した俺は、全力で奴の腕を握りつぶした。骨が砕ける音がした。
後ずさったゼロを後目に、地面に落ちた【命葬剣・零】を手に持つ。
「何故だ……確かに殺したはずだ!息は無かったし、脈も止まっていた!」
ゼロが狼狽している。俺はこの瞬間、自分は今、ゼロを超えたことを確信した。
「くっ………これで、どうだ!!」
ゼロが掌から強力な光を撃ち出した。
今度は確実に殺す為だろう。満身創痍の今の状態では、いくらニ度目と云っても危険だ。

だが、俺達は、その光に負けるとは思えなかった。

『行こう、セツナ……』

俺の右目に黒い光が宿る。右腕が光を受け止めた。

『あぁ……行くぞ』

俺の左目に紅の炎が灯る。左腕に握った刀で光を弾いた。

「な、何だと!?」
俺は一気に跳躍し、刀を振り下ろす。今の俺と、この剣に……斬れないものなど無い!
「ぐううぅっ!?」
ゼロが掲げた剣を【命葬剣・零】が断ち、奴の身体を深く切り裂いた。
「くっ……何故だ!」
拳を構える隙さえ与えない。俺は残った水刃手裏剣を一気に練り上げた。
「受けてみろ……無限投射!!」
幾つもの水刃が空を裂き、ゼロを縦横無尽に斬りつける。よろける奴の懐に、俺は迷わず飛び込んだ。
「闇の刃よ……連牙・黒影剣!」
闇を纏った刀でゼロの両腕、両脚の筋を断ち切る。そして身体の中心にその切っ先を突き刺した。
血を吐くゼロを睨み、俺はその刀の柄に掌を押し当てた。
「爆ぜろ、水の奔流……連破・爆水掌!」
爆水掌の力を収束させ、刀を通してゼロの体内に送り込み、一気に爆発させる。一度ではない。力を全て使い果すまで連続で放つ。
刀を抜き、ゼロを渾身の力を込めて蹴り飛ばす。そして、俺は最後の一撃を放つ。

「これで………」

俺は疾駆する。風よりも……疾く!!

「終わりだ!!!」

俺の刀が、ゼロの心臓を貫いた。


………
……



「……まさか……お前に負けるとは………」
ゼロが地面に倒れている。今度は幻影じゃない。確かに、俺はこの男を倒したのだ。
「……ふっ……面白い……出来損ないが、これからどこまでやれるか……見物だな」
俺は男を見下ろす。男から感じられるのは殺気ではなく、穏やかな雰囲気だった。
「………俺は行く。もう二度と、関わることはないだろう」
背を向けた俺に、ゼロが声を掛ける。
「最期まで見たらどうだ。……お前が憎んだ男の最期だ」
「嫌だね。……自分同じ顔の奴の死に顔なんて拝みたくないぜ」
ゼロが笑った。
「………執務室の俺の部屋の引き出しに、お前に関する資料が入っている。……持って行きたければ、持っていくが良い……」
「………」
俺は歩き出す。今、この瞬間。戦いが終わったことを、少しだけ信じられない気持ちのまま。


「………俺も、ようやく死ねるのか」
思えば長すぎる人生だった。
「……随分…時間が……掛かった…・…」
かつて死んだ戦友達……俺も、ようやく彼らの許へ逝けるのだ。
「……………あぁ……気がつかなかった………」
何時の間にか破壊された天井から空を仰ぐ。綺麗な、琥珀色の空。既に丸一日経っていたのだ。
「……こんなに、空は……きれ、いな……・…」

ゼロと名乗った男は、もうニ度と動かなかった。





「……見てるか、ソウマ。全部終わったぜ」
夕日の光の中、満身創痍のセツナが丘に立っていた。足元には簡素な墓。セツナはそこにソウマを埋めた。
「……そうだ、これも……」
ベルトに挿した剣の破片を手に持つ。だが、それは瞬く間に銀色の粉となって風に乗って何処かへ飛んでいく。
「………」
銀色の粉を追った先に、三つの人影が見えた。
「……セツナ」
フレイア、シオン、キリアの三人が立っていた。
「…すまない。君の言うことが真実だと気づくのに……どうしてあれ程時間が経ってしまったのかな……」
キリアが視線を墓に向ける。
「本当に、ごめんね……セツナ……」
辛そうにシオンが言う。
「……悪いのは、あいつだった。そして、あいつももう、この世にはいない。……全部終わったんだ。……それより、俺こそ………ソウマを」
それ以は言えなかった。フレイアが自らの口でセツナの口を塞いでいた。
「……それ以上、言うのは禁止。……ソウマだって判ってた筈だから……」
セツナは、頷いた。頬が赤いような気がしたが、夕日のせいだったのかは判らないが。
「……セツナ、これからどうするんだ?」
「……俺は……」
三人が、俺が彼らの下に戻ることを期待していることは分かっていた。だけど……。
「……俺は、銀誓館に戻る。……まだ、やらなきゃいけないことがあるから」
俺は、やはりあの場所を捨てることはできない。彼らも、その返答は分かっていたとでも言うように笑った。
「そうか。……僕とシオンは、もう一度アタラクシアを立て直したいんだ。今度は、ちゃんとした組織として。僕達で、ね」
二人が微笑した。…きっと、この二人なら大丈夫だろう。良い方向へ組織を導いてくれる。
「…どうせなら名前も変えた方が良いぜ。イメージが悪い」
また、全員が笑った。
「そうするよ。……いつか、僕達の所へ来てくれないか?セツナ」
「……あぁ。……外見が変わってなくても驚くなよ?」
「どういうこと?」
俺はゼロの執務室から持ってきていた資料を彼らに見せる。
「どうやら俺は、年を取っても外見があまり変わらないらしい。……俺が人工的に作られたことに原因があるみたいだけどな」
少し羨ましそうなシオン。別に羨ましがる事でもないと思うけどな。
「……セツナ」
「ん?」
今まで黙っていたフレイアが俺に顔を向けた。
「…私も、お前と一緒に行きたい」
「……銀誓館に来たいってことか?」
フレイアが無言で頷いた。
「……それが良いかもしれないな」
キリアが言う。シオンもそれに頷いた。
「そうだね。…頼めるかな、セツナ」
少し戸惑ったが、別に断る理由もないので首を縦に振る。フレイアの顔がパァ、と明るくなった。何故か、キリアとシオンが笑っていた。

「……それじゃ。また会おう」
「またね、二人とも!」
キリアとシオンが、丘を下っていく。
「……行くぜ、フレイア」
「うん……行こう」
俺とフレイアも丘を下る。俺は、最後にもう一度、ソウマの墓を振り返った。
「………」
フレイアが俺の方へ振り返る。
「セツナ?」
「あぁ……今行く」
俺は再び歩き出す。

失ったもの、手に入れたもの。それはどちらもとても大きいけれど、後悔はしていない。
また、明日が始まる。セツナではなく、大方が刹那として。
だけど、俺は此処にいる。確かに、存在している。守りたいモノがあるから、明日を生きていく。


それが、セツナが見つけた明日を紡ぐ意味だった。















後書き
これにて連載小説が終了となります。いやいや、長かった……。
終えての感想はまた後ほど詳しく書きます。
それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございましたー!
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