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此処はTW2シルバーレインのキャラクター「守衛・刹那(b34281)」についてのブログです。 シルバーレインと関係の無い方々のコメントやリンク等は許可致しません。ご了承下さい。
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僕が、僕である為に。






信念と誓いと。 後編





目の前に立つそいつは、右腕が刀のような形状をしていて、そして、それを振り上げた―
「!!!」
慌ててそれを回避する。尚もそいつは刃を振るった。
「ゴースト……こんな時に!」
僕は近くの公園へと駆け込んだ。暗闇の狭い道では戦い辛い。
公園へ逃げ込み、イグニッションカードを起動する。黒いコートを纏い刀を握る。異形が刹那の目の前に立ち、刃を構えた。
「消えろ、化け物……!」
刹那が刀を振るう。ゴーストはそれを受け止めた………その瞬間だった。


「――え?」
声が、聞こえる。

『罪深き者よ―』

「誰だ……・」

『……志砕けし者よ……』

「誰なんだ!?」

斬り結んでいる目の前の影のようなゴーストを見る。この公園にいるのは、僕と……こいつ……?

『何を望む? 何故戦う? 誰の為に戦う?』

声が聞こえる度、身体の動きが鈍くなっていく。思うように動かない……。
ゴーストの刃が脇腹に突き刺さり、鋭い痛みが走った。

『所詮貴様は咎人……何も護れはしない。貴様の罪は、決して消えない―」

振るわれた刃が脚を切り裂き、地面に膝をつく。ゴーストの蹴りが顎を捉え、意識が薄れる―

『ならば、此処で―――』

刃の切っ先を僕に向けた。身体が、動かない……。
徐々に薄れていく意識の中、記憶が脳裏を駆け巡る。昔の自分。無表情で、誰とも進んで関わろうとはしなかった。けど、仲間が何時の間にか、僕の心の扉をこじ開けていた。
楽しかった日々。辛かった日々。だけど、いつも誰かが傍にいた。仲間が、友が。
いつも……いつも……。

「………あぁ……そうか………」

一つ、気付いた事があった。それに気づいたと同時に、急激に意識が戻ってきた。右手に握った刀を振るい、影を後退させる。

「…馬鹿だ……こんな、簡単な事に気がつかなかったなんて……」

『………』

「そうさ、護りたいモノは……最初から、此処に……」

刀を構える。影が僕を見つめる。何故か、恐怖を感じた。敵を前にして初めて、逃げだしたいと思った。しかし、たった今築き上げた想いが、信念が、それを許さない。

「まだ……まだ、折れるワケにはいかない。護りたいモノを、僕は思い出したんだ……」

身体に力が戻ってくる。暗くなっていた視界に光が戻ってくる。
まるで僕が立ち上がるのを待っていたかのように、その影が刃を構えた。

『その信念、貫く意思があるのならば……私を打ち破ってみるが良い』

もう一度。

「……っ……」

もう一度、守衛刹那に為る為に。

「うああああああああああっ!!」

想いを剣に込め、刃を振るった――



………
……



気が付くと、僕は公園で大の字に倒れていた。イグニッションは解けている。
あの影の姿は何処にも無かった。
「………」
僕は、勝ったのだろうか? 斬り裂いた感触はあった。
空へ拳を掲げ、新たに胸に宿った信念を込めて強く握り込む。
「……あぁ、やってやるさ」
誰にともなく呟いて立ち上がった。
冷たい夜風が吹き抜ける。以前は酷く冷たく感じていた筈なのに、今は心地よくさえ感じた。

「さて――」

もう一度、走ってみよう。今度は、きっと折れることは無い。
此処から始まる。

新しい、僕の物語が―――














後書き
後編をお送りしました、背後です。
これが刹那が再び立ち上がるまでの物語です。いかがでしたでしょうか?
短めに纏めてみたので不足があるとは思いますが、少しでも楽しめたら、と思います。

それではー。
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