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此処はTW2シルバーレインのキャラクター「守衛・刹那(b34281)」についてのブログです。 シルバーレインと関係の無い方々のコメントやリンク等は許可致しません。ご了承下さい。
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少年は、望んでいた。”彼”になることを。


side:Ayame&Koto&Suda
「此処は……祠でしょうか?」
刹那を探して崖下を歩いてた彼女たちは不意に開けた空き地のような場所へ出た。そして、その中央には厳かな雰囲気を纏った大きな祠があった。
「……伝承によると、この祠は確か………」
コトが祠を調べ始めた。何か思うことがあるのだろう。
「しかし、祠の周り以外は嫌な空気が妙に濃いな………」
須田が呟く。と、同時に茂みが揺れる。須田はそちらに拳銃を向けた。



side:Shiki&Shuitirou&Takeuti
「……お前らも此処に迷い込んだ人間か?」
茂みから出ると、少年に銃を向けられていた。やや面倒そうに志貴が尋ねる。最も彼は相当なダメージを受けていたのだ。無理も無いだろう。
「あぁ……あんた達も?」
少年は答える。修一郎が肯定の返事をした。
竹内は一人の少女に目を向けた。
「…それよりも、そこの嬢ちゃん……コト、だったか」
コトがそちらへ目だけ向ける。
「そうよ。けど、どうしてそんな事を知っているのかしら?」
竹内はフッ、と笑った。
「話はよく聞いているさ……俺は竹内。宮田の友人だ」
コトは驚いたような表情を見せた。
「……そう、あなたが………宮田先生の所へは行って来たのでしょう?」
「あぁ………」
コトは一瞬だけ目を伏せた。宮田が此処にいない理由……先ほどの爆音、そして宮田の病院の崩壊。それらを結びつければ、それは訊くまでも無い事だった。





コトが再び祠に目を向ける。祠の中にあるのは一枚の巨大な鏡と、黒い宝玉。
「……そういう、事なのね………」
コトが呟く。
「どうしたんだ?」
竹内が尋ねると、コトは皆の方へ振り返った。
「いい、よく聞いて。この巨大な鏡からあなた達は現実の世界に戻れる」
あやめが疑問を口に出した。
「現実の、世界………?」
「えぇ。……この世界は、いわばパラレルワールド。在り得たかもしれない世界……あなた達はこの世界に迷い込んでしまったのよ」
「俺達が? ……何故だ?」
志貴の疑問にコトは俯いた。
「きっと、私が助けを求めたから……」
「助け?」
「えぇ。…私は本来ならば刹那に助けられること無く儀式の生贄になっていた筈。けれど、強い念が世界を歪めた……だから、平行世界の、かつこの近辺にいたあなた達が此処へ呼ばれてしまったのよ」
ごめんなさい、と呟く。
一同は暫し黙した。予想以上の出来事が重なり、理解が追い付けていない。だが、発狂しないところは流石能力者、と云ったところか。
「……いや、それはもういいぜ。それより此処から帰れるんだな?」
修一郎の問いにコトは頷く。
「えぇ、けど……」
コトは躊躇い、再び口を開いた。
「簡単には逃げられないみたいよ……」
コトが祠にあった宝玉を指す。
「この宝玉を破壊すれば、この鏡があなた達の世界へつながる。けど、”世界の番人”は、それを簡単には許さないわ」
「世界の番人……?」
須田が呟く。聞いたことも無い、と続けた。
「世界の番人とは、世界の歪みを正す為に居る。……つまり、この鏡が現実世界に繋がる時、この世界に歪みが発生する。そして……」
「その歪みを正す為に世界の番人が現れる、ということか……」
竹内の台詞にコトが頷く。
「…私が囮になる。その間にあなた達は脱出して」
「そんな事……!」
あやめが反論しようとするが、コトは黙って首を横に振った。
「それしか無いのよ。あなた達はこんな狂った世界に居るべきでは無いのよ?」
誰も反論できなかった。確かに、彼らは此処からの脱出を願っていた筈なのだから。
「だが、お前はどうなる?」
志貴の質問にコトは微笑した。
「元々死ぬ筈の存在だったのよ。それが少し遅くなっただけ……」
誰もがそれを否定したかった。彼女も死んで良い存在などでは無い。だが、コトの決意を宿したその瞳に、誰も何も言えなかった。
コトは有無を言わさない口調で、世界が繋がったらすぐに鏡に触れるように促した。そうすれば元の世界に帰れると告げた。
(それに、彼を探さないと―)
コトは自分を助けてくれた少年に思いを馳せる。

そして、その瞬間だった。

「ヒヒヒャハハハハハハッハハ!!!」
気味の悪い声とともに響く銃声。咄嗟に全員が伏せる。
「あ、あいつは!」
須田がその姿を認識すると同時に叫ぶ。そう、あの時刹那を撃った警察官だ。あやめが包丁を括った棒を振るって切り裂き、須田がバールで殴り倒した筈だ。
「きゃっ!!」
コトの短い悲鳴。彼女の近くで銃弾が跳ねる。
そして、警察官が後ろからやって来た人物に倒されるのと、放たれた銃弾が祠の黒い宝玉を粉々に砕いたのは同時だった。
「大丈夫か!?」
後ろから警察官をナイフで斬った迅は息を呑んだ。
祠の前に黒い宝玉の欠片が吸い込まれ、闇が凝縮する。そして――

「ガアアアアアアアアアアアアアァァァ!!!」

竹内が所持していた文献にあった『ソレ』に酷似した何かが、具現化したのだった。







「……まだ、間に合うか……!?」
少年は満身創痍の身体を引きずって、走った。
少年の傷ついた身体から覗く傷からは、銀色の粒子が流れていた。













後書き
キャラ出し過ぎな気がします。背後です。
やっぱり多数のキャラを同時に扱うのは難しいですね……オリキャラは良いんですけど、お借りしているキャラクターの皆さんのキャラを崩壊させていないか凄く心配です。(汗)
物語もいよいよクライマックスです。もう少しだけお付き合いください。
それでは。

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