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此処はTW2シルバーレインのキャラクター「守衛・刹那(b34281)」についてのブログです。 シルバーレインと関係の無い方々のコメントやリンク等は許可致しません。ご了承下さい。
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俺は、舞と共に町の中心に向かっていた。時折姿を見せる化物に怯えながら……。


「……ねぇ、何処に行くのよ……逃げないの……?」
後ろから舞が問いかけてくる。
「……恵だって、俺達の仲間だ。…置いてなんかいけるかよ」
「でも、でもっ………」
嗚咽混じりに言葉を紡ごうとする舞。無理も無いだろう。自分が育った町で、こんな奇妙な事件に巻き込まれれば。発狂してないのが奇跡にも思える。
……俺だって、正直泣きたい。
「ねぇ、翔矢……もう出ようよ、こんな町……もう、嫌だよ………」
舞の気持ちも分かる。目の前で友人を殺され、狂って………
そんなことに耐えられる程、彼女は強くない。
俺は、誰よりも良く知っている。幼馴染の、彼女の事を。
………子供の頃から、本当は好きだった。だけど、言葉にできなかった。
それを伝えるまで……死ぬものか……死んで、たまるものか……ッ……!

その時だった。俺達が進む道の途中に、唸り声と共に奇怪な化物が現れた。
「!」
突然の出来事だった、身動きがとれない。化物との距離は10メートルほど。
逃げられない距離ではない。だが、脚が……竦んで動けなかった。
「あ、ああぁ、うわあああーっ!!」
抑えようと努力するが、叫び声が口から漏れる。
近づいてくる、化物が……あと、8メートル、7メートル………5メートル………
舞が、俺の上着の袖を握り締め、震えるのを感じた。
まだ……死ねない、死にたくない、死にたくない………!
あと、3メートル……化物がナイフを振り上げた。下がろうとする俺と舞はもつれ合うようにその場に転んでしまった。
化物が、目の前に……立った。

「うわあああぁぁーーーッ!!!」
俺の絶叫と、舞の声にならない叫び声が町に響いた。











ダンッ! ダンッ! ダンッ!










ふいに響いた音。昔、映画で聞いたことがあるような音……銃声?……でも、誰が……。
三度の銃声の後、化物は音も無くその場に崩れ落ちた。
「…え……あ……?」
俺達は情けなく尻餅をついたまま後ろを振り向く。
ライフルのようなものを構えたままこちらへ歩み寄ってくる人。その人には、見覚えがあった。

……そうだ、そういえば……刹那と家に戻った時、あいつだけは居なかった。
何故……?

「大丈夫ですか?…………!」

「………あ…輝………」
俺達に歩み寄ってきた人影は、俺の親友の一人、輝だった。

「翔矢、舞……!どうして、こんな所に?」
輝が少し驚いたような表情をする。輝はいつものように銀縁の眼鏡を掛けていて、いつもと全く変わらずにそこにいた。
それが、嬉しくて、嬉しくて………!
「輝、輝ーー!!」
気づけば俺と舞はまるで幼い子供のように、輝にしがみついて泣いていた。
「は?…お、おい?何だ、どうした?」
狼狽する輝。だけど、雅也が死んで、恵が狂って、刹那が居なくなって……その中で、こいつだけはいつも通りで居てくれて、俺達を助けてくれたことに、心から感謝していた。
だから、俺達は恥も外聞もかなぐり捨てて涙を流した。


「……成る程な……」
一通り泣いて、俺達は近くの建物の影に隠れていた。
輝に今までのことを全部話した。信じてくれないかもしれない、と思っていたが輝はあっさりと信じてくれた。
「輝、信じてくれるのか?こんな映画みたいなこと……」
「信じるも何も、今俺自身が体験してるからな。それに、俺も無関係では無い」
そう言って、輝はライフルを見せた。
「ねぇ、輝。それって……銃、よね?」
舞が輝に問いかけた。俺も気になっていた。どうして輝が銃なんか……?
「……今更隠しても仕方ないか。……俺は、恭耶さん達と同じで化物を倒すために此処に来たんだ。……そして、翔矢、舞……お前達も、俺と同じ…能力者だ」
「……能力者……?」
聞きなれない単語に首を傾げる。
「能力者は、化物…ゴーストと呼ばれる異形から世界を護る為の戦士だ。俺も、恭耶さんも、愛さんも……そして、刹那も」
突然のことに思考が止まった。俺が…戦士………?
「輝、何で俺達が能力者だなんて分かるんだよ?」
輝は眼鏡のブリッジを押さえながら答えた。
「輝、お前屋上で授業サボってて、先生に見つかったことあるか?」
「………いや、無い」
そうだ。よく刹那と屋上で授業を抜け出して昼寝をしていた。でも、見つかったことは一度も無かった。
「それは、お前が無意識に能力を使ってたからだ」
「そう、なのか……?」
「あぁ。…それと、舞。お前が校舎の2階から飛び降りた時。怪我しなかったよな?」
「う、うん」
「普通に考えろ。いくら運動神経が良くても、あの高さからアスファルトの地面に飛び降りて怪我しないワケないだろ?…あれが、お前の能力なんだよ」
舞も驚いたような表情をしている。信じられないが、そう考えると不思議な出来事はいくつもある。
「…あまり時間がない。翔矢、舞。俺に付いて来るんだ。恭耶さんと愛さん、恵はともかく……刹那はまだ助かるかもしれない」
輝の提案に頷く。
「良いか?まだお前らは覚醒してない……つまり戦えない。俺の後ろに隠れてるんだ」
「分かった。……」
納得いかないが、現状では輝に従うしかない。刹那を助ける事が優先だ。
「…よし、行くぞ!町の中心へ向かったってことは学校の辺りの筈だ!」
俺は、輝と舞と共に物陰から飛び出し、町の中心にある学校へ一気に駆け出す。

この先、何が起こるのか……まだ、判らずにいた。









後書き
とりあえずこれで「~side」と分けるのは終了です。
要は二つのsideが重なるわけです。
……もう少し物語を練りたかった!(ぇぁ)
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